根管治療を行なった歯で、レントゲンやCTを撮影しても特に異常は見当たらないのに痛みや違和感が改善しない、という訴えで相談を頂く事があります。歯や口腔内に異常所見がないにも関わらず、歯の痛みの訴えがある場合には、非歯原性疼痛を疑い診断を行う必要があります。
非歯源性疼痛には
①筋・筋膜痛による歯痛
②神経障害生疼痛による歯痛
③神経血管生疼痛による歯痛
④上顎洞疾患による歯痛
⑤心臓疾患による歯痛
⑥精神疾患、社会的要因のよる歯痛
⑦突発性歯痛
⑧その他の様々な疾患による歯痛
といったものが挙げられます。歯が原因でないのに、歯が痛みということだけでも不思議に思われるかもしれませんが、実際にはこのような様々な要因により歯の痛みが起こります。
患者さんの訴えるままに、痛みのある歯を削ったり抜歯をしても歯の痛みがとれない、という事が臨床では起こりうるのです。ですから、痛みに対して十分な診断ができないまま、不可逆的な治療(切削、抜歯)をする事は後々のトラブルに繋がる事が多いため避けなければなりません。