ここのところ厳しい暑さが続いていますね。
熱中症にならないように水分補給が大切です!
最近ではヤクルト1000など、ストレスや睡眠の質の向上を促す効果があるとして乳酸飲料が話題となっています。
またインフルエンザの予防などを目的に、お子さんに飲ませている方も多いようです。
今回の衛生士ブログでは、乳酸飲料についてお話ししたいと思います。
乳酸飲料に含まれている乳酸菌とは、発酵によって糖から乳酸を作る嫌気性(空気を嫌う)の微生物の総称で、乳酸のほかに酢酸などをつくり、腸内を酸性に保つことによって悪玉菌の繁殖を抑え、腸内環境を整える働きがあります。
人の腸内には、約1000種類、100兆個の腸内細菌が棲息しています。
腸内細菌は、善玉菌、悪玉菌、そのどちらでもない中間の菌(日和見菌)の3つで構成されています。
これらの菌は密接に関係しあい、複雑なバランスを保っていますが、たんぱく質や脂質が中心の食事、不規則な生活、ストレス、加齢、抗生物質の服用などで腸内細菌のバランスが崩れ、悪玉菌が増えた場合、病気の発症に関係することがわかっています。
健康な腸内細菌のバランスとは、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が優勢である状態です。
それにより、
① 便通を良くする
② 感染症を予防する
③ 発がんリスクを低減させる
④ 免疫力を高めるなどの作用がある、といわれています。
ちなみに最近流行っているヤクルト1000ではそれに加えてガセリ菌 シロタ株がストレス緩和や睡眠の質の向上に効果があるといわれています。
ただし、ここで注意が必要なのは『眠りにつきやすくする』わけではなく、
『睡眠の質の向上』といわれている点です。
ヤクルトを寝る直前に飲んですぐ効果がでるわけではなく、
朝・昼・夜のいつ飲んでも『睡眠の質』の効果は同じだそうです。
乳酸飲料には乳酸菌の他に乳脂肪、砂糖なども含まれており、飲みすぎると乳脂肪や糖分を摂りすぎることにもなります。
また乳酸飲料自体がpH値が高く、酸性度が高いため、虫歯のリスクがあがってしまいます。
寝る直前に飲んでしまうと、寝ている間は虫歯が最も進行しやすい時間のため、
非常に虫歯になりやすくなってしまいます。
乳酸菌が体に良いことは確かですが、乳酸菌だけ摂取すれば健康になれるわけではありません。
他にも食事や運動、不規則な生活を見直してこそ効果が得られます。
当院では食生活についてもお話しさせていただくことがあります。
お気軽に担当衛生士にご相談ください。