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更年期と歯周病の関係

更年期と歯周病の関係

前回は妊娠期の女性ホルモンと歯周病の関係についてお話させていただきました。
今回は同じく女性ホルモンのことでも、更年期についてです。
更年期も実は歯科治療と関係があります。

更年期障害とは

40歳以降の男女性ホルモン分泌量低下によってみられる、様々な体調の不良や情緒不安定などの症状。
女性の場合は、閉経前におこる身体の症状として、
・のぼせや顔の火照り
・脈が速くなる
・動悸や息切れ
・異常な発汗
・血圧が上下する
・耳鳴り、頭痛やめまいなどです。
・精神的な症状としては、イライラや不安感、うつ、不眠などです。

更年期と骨密度

閉経後より女性ホルモンが減少すると、骨のカルシウムが低下します。
骨はカルシウムの銀行とも呼ばれていて、体内のカルシウムの99%を貯蔵し、また血液中のカルシウムを一定に保っています。一方、カルシウムは体内で合成できないので、食事から摂取したりその貯蔵を引き出して血液中のカルシウム濃度を一定にしようとします。つまりカルシウムという預金をしたり引き出したりというバランスがとれているのが理想です。
 そして女性ホルモンであるエストロゲンは、女性の骨からカルシウムが引き出されるのを防ぐという重要な役割をになっています。ところが、40代以降、閉経が近づくにつれて、エストロゲンの分泌が低下します。エストロゲンは骨密度の低下を防ぐ働きもしています。同時に骨からカルシウムがどんどん引き出され、もろくなっていきます。ついには骨はスカスカになり、骨折しやすい「骨粗しょう症」という病気になってしまいます。
 骨全体が弱っているため、一度折れた骨がなかなか元に戻らず、日常生活に支障をきたしたり寝たきりの原因になったりします。
つまり女性は、男性に比べて老化に伴う原因に加え、閉経ということでも骨粗しょう症になりやすいと言えます。

歯周病との関係

歯周病は歯の周りの骨が溶けてしまう病気ですので、
更年期の時期から歯周病が進行しやすくなります。
骨粗しょう症になってしまうと、より歯周病のリスクが高まり、治療しても治りにくかったりします。
更年期でホルモンが減少すると、
唾液の分泌が減って口が乾き「ドライマウス」が起こりやすくなるため歯周病のリスクが高まります。
女性ホルモンの減少により歯周ポケット内で炎症を起こす物質の分泌が盛んになります。
更年期の時期に歯を悪くされる方は非常に多いです。
ですが、歯周病は予防できる病気です。前もってリスクを最小限にすることはできます。
悪化する前に普段から口腔ケアや歯科医院でのメインテナンスをすることが大切です。

更年期の症状自体を完全に予防することは難しいですが、早めの対応で悪化を防ぐことはできるはずです。そのためには、バランスの良い栄養、適度な運動、十分な休養、自分なりのリフレッシュを生活に取り入れる工夫が必要です。

また、歯科治療の際骨粗しょう症のお薬を飲まれている方は治療ができない場合がありますので、スタッフにお申し付けください。
更年期障害の症状が辛い場合は歯科治療は無理をしないことも大切です。
お気軽にご相談ください。

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