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喫煙について

今回の衛生士ブログはタバコについてです。
タバコは体に悪い、というのはみなさんよくご存知だと思いますが、タバコがどう全身に影響しているか知っている方は少ないと思います。
歯とタバコには深い関係があり、当院でも歯科治療の際に患者さんに禁煙していただくことがあります。
ここではタバコと全身、歯への関係について解説していきます。

タバコは様々なガンの死亡危険度を高めます

タバコには強い依存性があり、止めることは簡単ではありません。
タバコに含まれている有毒物質はおよそ4000種類あるといわれており、そのなかには発がん性物質も含まれています。
タバコが様々な組織のガンの重要な危険因子となっていることは多くの研究や実験で明らかにされています。

非喫煙者の死亡を1とした場合、毎日喫煙している男性の死亡危険度が何倍になるのかという調査が1990年に行われました。
・肺ガンには4.45倍
・食道ガンには2.24倍
・口腔・咽頭ガンには35.5倍
・胃ガンには1.45倍かかりやすくなります。
先進国においてすべての死亡と病気に対するタバコの寄与率は12.1%で第1位となっています。

ニコチンの為害作用

タバコに含まれるニコチンは化学物質としては毒物に指定されています。
ニコチンには血管を収縮させる作用や強い毒性があります。
血管が収縮してしまうと血圧が上昇し、身体に栄養が行き渡らず、免疫力を弱めます。
タバコを吸うと煙が体内にとりこまれ、血液中のニコチンは急速に全身に広がります。
報酬系とよばれる神経回路に作用して心地よさを感じ、それが中毒症状となるのです。

タバコと歯周病

以前歯周病がどんな病気かこちらでお話ししてきましたが、歯の喪失で最も多い原因が歯周病になります。
歯周病は細菌による感染症で、その発症や進行には多くのリスクが関係します。
中でも歯周病のリスクとして最も危険なのがタバコです。
タバコに含まれる有害物質は口腔内の組織に直接影響を与えます。喫煙によって口腔内の血管が収縮し、血液循環が悪化します。これにより、歯茎や口腔組織への酸素や栄養素の供給が激減し、炎症が引き起こされます。さらに、タバコの有害成分は免疫反応を妨げ、炎症を抑制する免疫細胞の働きを阻害することがあります。
歯周病の治療をしている方がタバコを吸っていると、創傷治癒のプロセスを遅らせることが知られています。歯茎や口腔組織の損傷、手術跡の回復が遅れるため、歯周病治療や歯科手術の効果が低下してしまいます。

また、タバコは歯垢の形成と蓄積を促進します。
タバコの成分は歯垢の表面に付着しやすく、細菌の付着や増殖を助長します。
これにより歯周ポケットに細菌が増え炎症を引き起こし、歯茎の腫れや歯周病の進行を招く可能性を高めます。
これらのメカニズムと影響によりタバコは歯周病のリスクを増加させることが示されます。

タバコはやめることができる

タバコは歯周病、全身の健康にも影響します。喫煙は免疫系を弱め、糖尿病や心血管疾患のリスクを増加させます。
そして受動喫煙で家族にまで影響が及ぶこともあります。
それでも、タバコを吸うことを選びますか?
タバコには脳への中毒性があるので、吸いたいと思ってしまうことは仕方がありません。
辞めたいと思っていても、なかなか自分の意思だけで辞めることは難しいものです。
しかし本当は辞めたいと思っている方には私たちもサポートいたします。
当院では禁煙に成功された患者さんもいらっしゃいます。
タバコをやめるのは容易ではありませんが、禁煙外来を利用するのもおすすめです。
文京区では禁煙支援として禁煙に成功した方に一部の禁煙外来でかかった費用を助成してくれる制度などもあります。
ぜひお気軽にお尋ねください。

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