外科的歯内療法、主に歯根端切除術の事を指しますが、処置を行う術者の判断や患者さんの希望などにより、適応が変わります。例えば通常の根管治療を行うか、いきなり歯根単切除を行うかという判断があります。これは主に再治療を行うかということの是非になりますが、再治療に関してもどの程度の見込みで治癒をするか、ここで術者が治癒の見込みがある程度あると判断すれば再治療を提案することになります。
前回の根管治療の失敗がなぜ起こったか、それを解決するためにはどのようにすれば良いのか、そういった判断が非常に大切です。これらは歯の状態や術者の技術により異なります。例えば、10人の歯科医師が全員歯根単切除を選択するケースもあれば、意見が分かれるケースもあるでしょう。また、実際に患者さんが手術を希望するのか可能なのかという問題もあります。全身疾患の問題などがあり手術が出来ない場合もありますし、手術になるくらいであれば歯の保存をせず抜歯を希望する患者さんもいます。
また、状態の良くない歯を無理に残すリスクなどもあります。これらの要因を考慮し治療計画が立てられますが、そのためには術者と患者の間でのコミュニケーションがとても大切となります。
当院では、可能であれば再根管治療を行い、予後不良の際に外科的歯内療法を行うことが多いです。またその際には患者さんの状態や希望を踏まえて、術前の相談に十分な時間をかけています。