今回の衛生士ブログは飲料水の表示についてです。
以前砂糖についてお話した回では、一般で売られている清涼飲料などのなかには多量の糖分が含まれていることをお話ししました。
当院では食生活についてお聞きする機会がありますが、その中でも「ゼロカロリー」や「カロリーオフ」のものはどうなんですか?という質問を受けたり、
ゼロコーラなら飲んでも大丈夫だと思っていた!なんてこともよくお聞きします。
じつはこれらの表示がされているからと言って、栄養成分が全くゼロになるというわけではないのです。
これらの表示は、食品表示法において基準をみたす食品にのみ表示が許可されています。
・エネルギーが少ないことを強調する場合の表示基準の場合
基準 食品100g(もしくは飲用に供にする液状100ml)あたり5kcal
表現 ・無〇〇
・〇〇ゼロ
・ノン〇〇
・〇〇フリーと表記が可能
ゼロ飲料とは、エネルギーがほとんど含まない飲料のことを示します。
上記のように5kcal未満ではゼロと表記できるからです。
そして糖質は0.5g未満であれば糖質ゼロと表記することができます。
〇〇ゼロなど、エネルギーがほとんど含まない食品の一部には人工甘味料が使用されており、血糖値の上昇や空腹感を遅らせる効果など、健常者だけでなく糖尿病の方への食事に役立つことが期待されています。
しかしだからと言って、摂り過ぎてしまうと逆効果です。
例えばゼロコーラには、「スクラロース」や「アセスルファムK」という人工甘味料が含まれています。
それぞれスクラロースには砂糖の600倍、アセスルファムには砂糖の200倍の甘さがあると言われています。
少量の糖質で抑えることはできますが、砂糖の100倍ある人工甘味料を摂り続けることで甘いものへの依存性が高まり、習慣的な摂取につながってしまうと返って悪循環になってしまいます。
人工甘味料には間接的にインスリンの分泌に影響を与えて血糖値を上げる可能性があるという研究結果もあります。
ほかにも人工甘味料の1つであるエリスリトールの摂取量が多いほど心血管疾患リスクを高める可能性も近年報告されており、人工甘味料と健康リスクの関係性は明らかになっていないことが現状です。
栄養強調表示食品に過剰な期待はせず、日常でうまく取り入れていくことがおすすめです。